さぁ減塩を始めよう! まずは何から?
いざ「減塩を始めたい!」と思った時に何から始めたら良いのでしょう。
減塩調味料を買う?減塩レシピ本を買う?
初めて減塩する方は迷ってしまいますよね。
そこで減塩を初めてする方のための手順を書いてみました。
目次
あなたは何の為に減塩しますか?
今、「減塩を考えている」あなたは、何の為に減塩したいですか?
一言で減塩と言っても人によって様々な目的があります。
健康維持、美容、ダイエット、高血圧や腎臓病、
心筋梗塞や心臓病の方、生活習慣病予防や妊婦の方。
減塩の目的が変われば、減塩のやり方や1日の塩分の制限量なども変わってくる事が
あります。減塩の目的がぼんやりしている方は一度考えてみて下さい。
1日に摂れる食塩相当量の基準を知ろう。
自分の減塩の目的が整理できた所で次に塩分摂取の基準を知りましょう。
◆日本人の1日の平均塩分摂取量は?
男性…11.0g 女性…9.3g
(平成30年国民栄養調査)
◆厚生労働省が推奨する1日の塩分摂取量は?
男性…7.5g未満 女性…6.5g未満
(厚生労働省の日本人の食事摂取基準 2020年版)
いかがでしょうか?
平均的な食生活をしていると厚生労働省の推奨値よりかなり多くの塩分を摂ってしまっている事が分かりますね。
この推奨値に合わせるには約30%ぐらい塩分を控える必要があります。
健康維持や少し美容を考えている方はこの厚生労働省の基準を参考に
してみてはいかがでしょうか?
◆高血圧学会が推奨する1日の塩分摂取量の目安は?
1日…6g未満
◆腎臓疾患の方の1日の塩分摂取量の目安は?
1日…3〜6g未満が理想
高血圧の改善や腎臓疾患の方は上記の摂取量が目安となります。
また持病などで減塩をされている方は5g〜6gを1つの基準にされている方も多いです。
持病の改善を目指している方は、減塩を始めるにあたっては、必ずかかりつけ医や管理栄養士さんと塩分量などを相談して下さい。
◆WHO(世界保険機関)が推奨する1日の塩分摂取量の目安は?
1日…5g未満
参考に世界での減塩の基準を示してみました。
世界基準で考えると日本人は塩分をなんと約半分にする必要があります。
漬物、味噌汁、醤油などの伝統的な和食は栄養バランスに優れる一方、世界と比べても塩分がかなり多いんです。
健康な方がいきなりこの塩分量5g未満を達成するのはとても大変で、
なかなか続かないと思います。
持病の方以外は、まずは厚生労働省の推奨する基準を目標にしてみてはいかがでしょうか?
まずは無理せず続ける事が大事ですね。
自分の1日の塩分摂取量を知ろう。
塩分の摂取基準が分かった所であなたが摂っている毎食の塩分量を計ってみましょう。
日頃塩分を気にしていなかった方は、計ってみると
想像以上にたっぷり塩分を摂っていて驚かれる方がほとんどです。
家で料理する時
家で調理する時は目分量で調味料を入れている方も多いですが、きっちり計量するようにしましょう。減塩する上で計量する事はとても大事です。
【使うもの】
・計量スプーン ・電子計量器
計量に必須なのは「大さじ、小さじ」が測れる計量スプーンです。
さらにきっちり塩分を計りたい方は0.1g単位まで測れる電子計量器も販売されていますので活用しましょう。
調味料などのパッケージ裏には下の写真のような「栄養成分表」の記載があります。
調味料であれば大さじ1あたり食塩相当量などが記載されていますので、
それを見て塩分量を計算してみて下さい。
また、塩分が入っているのは調味料だけではありません。
ソーセージやチクワなどの加工食品、うどんやラーメンの麺、パンなどにも
塩分がたっぷり含まれています。
1食あたりの塩分量を知る為には、調味料の塩分に加えて食品自体の塩分量も
足し合わせる必要があります。
うどん麺やパンなどの食品のパッケージには栄養成分表が載っていない商品もあります。
その際は下記のサイトを参考に塩分量を計算してみて下さい。
食品などは栄養成分表示に食塩相当量の表記が無く、ナトリウム値のみの場合があります。
その場合はナトリウム量を食塩相当量に下記の式で換算する必要がありますので覚えておきましょう。
ナトリウムを食塩相当量に換算する式
ナトリウム量(mg)× 2.54 ÷ 1,000 = 食塩相当量(g)
外食や持ち帰りで食べる時
日常で外食が多い方はその塩分量も知る必要がありますね。
吉野家やマクドナルドなどのファーストフード店や
コンビニ、定食屋のチェーン店などは各社ホームページ上で塩分量が記載されてますので調べてみましょう。
例えば、参考に吉野家のHPより食塩相当量を調べてみました。
<牛丼並>・・・2.7g
<味噌汁>・・・1.8g
牛丼と味噌汁を合わせると食塩相当量は4.5gとなり、1食分で高血圧学会の1日の基準6gと
かなり近くなります。
外食が多い方はほとんどが塩分の過剰摂取の可能性があるので、なるべく外食は少なくする
など注意しましょう。
塩分摂りすぎ簡単チェック!
私たち日本人の食事は、世界の基準と比較しても非常に多くの塩分を摂取しています。 (日本人男性の塩分摂取量は世界保健機関の塩分摂取量の目標値の2倍以上)
日本食は、ヘルシーでバランスがとれた料理として評価される一方、食材の保存能力を高める為にたくさんの食塩が使われています。
私たちは知らず知らずのうちに、日常の食事からたくさんの塩分を摂取しています。
過剰な塩分摂取は様々な病気の原因となります。まずは、下のチェックシートを使って塩分を摂り過ぎていないかチェックしてみましょう!
塩分摂りすぎチェック
当てはまる項目の数をチェックしましょう。
何個当てはまりましたか?
1. 週に2回以上外食をする。
2. スーパーの総菜や缶詰、レトルト食品をよく食べる。
3. お酒をよく飲む。
4. 毎日味噌汁を飲む。
5. 白ご飯にはご飯の友が欠かせない。
6. 焼き魚や刺身には気にせずたっぷり醤油を付ける。
7. よく喉が渇く。
8. ラーメンなどの汁物はスープを全部飲む。
9. 日頃から塩分を気にした事が無い。
10. 薄味より濃い味が好き。
さて、みなさんは何個当てはまりましたか?
実は1個以上当てはまった方は、塩分摂りすぎの可能性があります。
5個以上の方は、要注意。 塩分過剰摂取の可能性が非常に高いです。
塩分の過剰摂取は様々な病気の原因となる高血圧や胃ガンなどになるリスクが高くなります。
このチェックシートをきっかけに、日頃の食生活を見直すきっかけとしてみてはいかがでしょうか?
減塩調味料や減塩食品を上手に使おう
さてご自分の1日の塩分摂取量と摂取基準が分かった所で、さっそく減塩を始めましょう。
まずはご家庭の調味料を減塩調味料に変えてみましょう。
「醤油」「味噌」「ソース」「ケチャップ」「マヨネーズ」などほとんどの調味料で
減塩タイプが発売されており多くの減塩調味料は従来品より約30%以上は減塩されています。大幅な減塩を目指したい方は、50%以上減塩されている調味料や、あまり知られていませんが「無塩」の調味料という選択肢もあります。
減塩調味料は難しく考えず、今までと同じように調理するだけで調味料の塩分は減らせるので、とてもお手軽に減塩できるので上手に活用しみてはいかがでしょうか。
また従来の減塩調味料は味が薄い、美味しくないものというイメージがありましたが最近の
商品は薄味でも旨味を多くしたりして、美味しい商品が非常に多いです。
しかし健康志向の高まりと共に減塩商品注目を浴びている一方、減塩商品の種類が少ない
スーパーがほとんどです。
減塩・無塩食品専門店「無塩ドットコム」では300種類もの減塩・無塩食品を取り扱っていますので、お近くに減塩食品が少ないようでしたら、是非ご覧下さい。
(注意)腎臓疾患の方は減塩調味料を選ぶ際にご注意下さい。
腎臓疾患の方は、塩分だけでなくリン・カリウム・たんぱく質の制限があります。
減塩食品には、食塩の一部を「塩化カリウム」に置き換えた商品もあります。
カリウムは野菜や果物に多く含まれ、体から塩分の排出を促す為、厚生労働省では生活習慣病改善にカリウムの積極的な摂取が推奨されていますが、腎臓疾患の方は注意が必要です。
塩化カリウムを使用した商品は「栄養成分表示」に「カリウム」の値がある為、
確認しましょう。
減塩のコツを知ろう
コツを知る事で簡単に美味しく減塩ができます。
減塩のコツを紹介します。
ダシをしっかり効かせよう
料理の際にお塩を減らすだけでは、物足りない味になってしまいます。
昆布、鰹、椎茸などでダシをしっかりとる事で味に深みが出るので、減塩でも美味しく食べられます。
ダシをとる際のポイントは、種類の違う複数のダシを組み合せて使う事です。
ダシには大きく分けて「イノシン酸」「グルタミン酸」「グアニル酸」の3種類あります。
【ダシの分類】
・鰹、煮干し、豚肉など・・・・・・・・・イノシン酸
・昆布、イワシ、トマト、白菜など・・・・グルタミン酸
・干し椎茸など・・・・・・・・・・・・・・・・・グアニル酸
この3種類のうち2種類以上組み合わせると感じる旨味が数倍にアップします。
これを「旨味の相乗効果」と言います。ダシをとる際は是非意識してみて下さい。
味付けは表面にしよう
料理はできるだけ薄味で作って、できあがりの表面に少しお塩などの調味料をふって味付けをしましょう。
料理の表面に味付けをする事で、舌に直接味が伝わるので、料理全体の塩分量が少なくても
味が濃く感じます。
加工食品の塩分に気をつけよう
先ほども書いたように、かまぼこ、ソーセージなどの練り物、麺類、パンには塩分がたっぷり入っています。
意識しないとたっぷり塩分をとってしまう事になります。これらの食品はなるべく使う頻度を少なくしましょう。
・かまぼこ 1.5cm厚 2切れ ・・・食塩相当量 0.6g
・ちくわ 1本 ・・・食塩相当量 0.6g
・うどん麺のみ 1人前240g ・・・食塩相当量 0.7g
・食パン 6枚切り 1枚 ・・・食塩相当量 0.8g
汁物を減らそう
日本の食卓の定番のお味噌汁。毎食食べている方は要注意です。味噌はなるべく減塩のものを使い、食べる回数を減らしましょう。
またラーメンやうどんの汁も全て飲んでいませんか?
汁物のスープは飲まずに残すクセをつけましょう。
・お店のラーメン1杯のスープ ・・・食塩相当量 4〜7g
・味噌汁 1杯 ・・・食塩相当量 1.5g〜2.2g
スパイスを上手に使おう
減塩でも美味しく食べられるようにスパイスやハーブ、薬味などを利用しましょう。
例えばカツオのタタキをぽん酢で食べる時、使うぽん酢を少なめにしてショウガやミョウガを多めにしてみると薄味でも美味しく食べられます。
【減塩に便利なハーブ、スパイス】
- バジル
- パセリ
- ニンニク など
【減塩に使える薬味】
- ワサビ
- しそ
- 生姜
- 唐辛子
- 山椒(さんしょう)
- からし
- ゴマ など
減塩レシピを活用しよう
減塩に慣れるまでは減塩レシピを参考にしてみるのも良いでしょう。
ただし「クックパッド」などの減塩レシピは塩分の表記が無かったり、タイトルが減塩でも塩分が多かったりするのであまりおススメできません。
インターネットから閲覧できるおすすめの減塩レシピの
リンクを貼ってみました。
自分の味にあったレシピを探してみましょう。
出版されてる減塩レシピ本をお探しの方
減塩レシピ本のご購入の方はコチラ>>