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腎臓病食の方の為のカリウムが多い食べ物について

腎臓病食の方の為のカリウムが多い食べ物について

腎臓病の方の低リン・低カリウム食品のご紹介

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腎臓病食はなぜカリウム制限が必要なのか?

カリウムの働きとは?

カリウムは身体の細胞内液に存在しているミネラルです。カリウムの働きは、細胞内液の浸透圧を正常に保ったり、ナトリウムを体外に出しやすくしてくれたり、筋肉や心筋の働きをサポートするなど様々な役割を果たしています。

このようにカリウムは体内でも重要な働きをしますが、カリウムが低下してしまうと低カリウム血症と言われる症状が起こります。

例えば、筋力低下や悪心、嘔吐、酷くなると手足の麻痺や自立神経失調症などの症状がみられます。一方で、腎臓疾患の方はカリウム制限が必要になります。それは一体なぜでしょうか?

腎臓疾患の方がカリウム制限を必要とする理由とは?

腎臓の機能が低下すると体外へカリウムの排出量が減少し、体内のカリウムが多くなってしまいます。したがって、腎臓疾患の方は健常者よりもカリウム制限が必要になります。腎臓疾患の方は採血でカリウムが5.5mq/Lを越えないように日本腎臓学会のガイドラインに基づき推奨されています。

健常者はカリウム制限はしない?

もともと腎臓の機能には、体液のバランスを正常に保つ働きがあるので、水分や老廃物、電解質(カリウムやナトリウムなどイオン)の排出を促します。また、必要とされる水分や電解質は再び吸収して機能維持を保っています。しかし、腎臓が正常に働かなくなってしまうと体内の電解質のバランスを崩してしまう原因になります。

カリウムを摂りすぎてしまうとどうなるの?

体内のカリウムが多くなると、高カリウム血症が起こります。高カリウム血症になると、悪心、嘔吐などの脱力感やしびれ、不整脈などが現れ、さらに症状が悪化すると心臓の機能にも危険性が及びます。

そのような症状を引き起こさないようにするためにも、腎臓疾患の方はカリウム制限に配慮した食事を召し上がることが重要になります。

腎臓病食は、どの程度カリウム制限すれば良い?

健常者はカリウム制限はしない?

健常者の1日のカリウムの目標量は、男性3,000mg以上、女性は2,600mg以上になっています。
(日本人の食事摂取基準2020年度版、高血圧予防を目標とした数値)

また、カリウムの上限量が設定されていない理由は、腎機能が正常であることと、サプリメントの摂取がなければ過剰症のリスクは少ないと考えられているからです。

腎臓疾患の症状とは?

腎臓病にかかったばかりの時期は症状がなく経過します。腎炎は10年以上も自覚症状がない場合もあります。
しかし、慢性腎臓病(CKD)になってしまうと、体内の老廃物を排出することが困難になってしまったり、それとは反対に必要な成分が体外へ排出されてしまうこともあります。

また、水分や電解質のバランスが崩れることで、むくみが現れます。
このような症状は治療をすることで症状を抑えることができますが、進行すると腎臓が正常に働かなくなり、全ての臓器にも影響を与えてしまいます。

腎臓疾患の場合は病状に合わせたカリウム制限が必要?

慢性腎臓病(CKD)になると食事療法が病状の進行具合によって6つ(ステージ1、2、3a、3b、4、5)のステージに分けられています。その中でも、カリウムの推奨量が決まっているステージがあります。

ステージ1〜ステージ3aまではカリウム制限の必要性はありませんが、ステージ3bではカリウムは1日2,000mg以下に制限します。さらにステージ4と5になると1500mg以下まで制限するようになります。

カリウム制限

ステージ3b・・・1日2,000mg以下
ステージ4,ステージ5・・・1日1,500mg以下

腎臓疾患の方の野菜の1日の目安量は?

・慢性腎不全(CKD)のステージ3以降
緑黄色野菜は100g、その他の野菜は200g、きのこ類は20gを目安にしましょう。

・慢性腎不全(CKD)のステージ5D(血液透析患者)
緑黄色野菜は60g、その他の野菜は180g、きのこ類は20gを目安にしましょう。

腎臓疾患の方の野菜の1日の目安量は?

※上記はあくまで目安になります。
様々な食品にカリウムは含まれる為、実際には調理方法やその他の食べる食品との兼ね合いによって決まります。カリウム制限される場合は、かかりつけ医や管理栄養士とご相談の上、食べる量をお決めください。

減塩をするのはなぜ?

腎臓疾患の方がカリウムとともに減塩を意識した食事をする理由は、腎臓の機能低下により、塩分がからだに溜まり、高血圧の原因になるからです。

そのため、食塩摂取量においては慢性腎臓病(CKD)ではステージ別の設定はなく、全てのステージで1日の食塩摂取量を3〜6g以下に抑えられるように目標がなされています。こうした理由からカリウム制限とともに減塩にも配慮した腎臓病食を心がけていく必要があります。

1日の塩分摂取量の目安・・・・3〜6g

どんな食べ物にカリウムが多いのか?

カリウムが多い代表的な食材とは?

  • 果物類、100%果汁ジュース
  • 芋類、芋類を加工した菓子や料理
  • 野菜類、野菜ジュース
  • 豆類(大豆、きなこ)
  • 乳製品(ヨーグルトや牛乳)
  • 種実類(ピーナッツ、アーモンド)

カリウムが多い代表的な食材とは?

食品別カリウム含有量 100gあたり

(食品の食べられる正味の重さあたりのカリウム量です)

芋類

さといも さつまいも 長芋 じゃがいも かぼちゃ
640mg 480mg 430mg 410mg 400mg

芋類はどれもカリウムが高めですが、その中でも粘りがあるさといもが一番高く、かぼちゃが一番少ない傾向にあります。
しかし、コロッケ、とろろ芋、ポテトサラダなど芋を使ったメニューにも注意しましょう。

野菜類 (生)

ほうれん草 枝豆 ブロッコリー にんじん ミニトマト
688mg 588mg 359mg 300mg 290mg
スイートコーン キャベツ レタス 玉ねぎ
290mg 200mg 200mg 150mg

野菜の中でもほうれん草や枝豆、ブロッコリーなどの緑黄色野菜にカリウムが多い傾向にあります。反対にキャベツ・レタスなどの淡色野菜はカリウムが低い傾向にあります。

海藻類

まこんぶ(乾燥) 焼き海苔 乾燥カットわかめ 生めかぶ 味つけもずく
6,100mg 2,400mg 450mg 86mg 15mg

海藻は昆布や海苔などはカリウムが高い傾向にありますが、もずくはカリウムが低いので、そのような食材を選べると良いでしょう。

果物類

アボカド バナナ メロン キウイ オレンジ りんご
720mg 360mg 350mg 300mg 140mg 120mg

果物では、アボカド、バナナ、メロンがカリウムが多く含まれている傾向にあります。一方でりんごは果物の中ではカリウムが少ない傾向にあります。また、果物缶ではシロップにカリウムが溶出しているため、汁を除いた実の部分にはカリウムが少ないと言われています。

果物類のカリウム含有量は?

豆類

きな粉 納豆 大豆(ゆで) 大豆水煮缶詰 絹ごし豆腐 木綿豆腐 生揚げ 油揚げ
2000mg 660mg 530mg 250mg 150mg 140mg 120mg 85mg

豆類はカリウムが多く含まれている食材の一つです。きな粉や大豆などはカリウムが多く含まれていますが、豆腐を加工した油揚げや生揚げなどはカリウムが低い傾向にあります。

乳製品

低脂肪牛乳 濃厚牛乳 普通牛乳 プロセスチーズ
190mg 170mg 150mg 60mg

牛乳、ヨーグルトはカリウムが多く含まれていますが、チーズはやや少ない傾向にあります。しかし塩分も含まれているため摂りすぎには注意しましょう。

肉類

鶏肉ささみ 豚もも肉 牛もも肉 豚ロース肉
420mg 352mg 340mg 310mg
鶏もも皮付き 鶏肉砂肝 牛バラ肉 鶏もも・皮
290mg 230mg 190mg 32mg

肉類ではもも肉やロース肉などはカリウムが多い傾向にありますが、牛バラ肉や鶏もも肉(皮付き)など脂質が多い肉はカリウムが少ない傾向にあります。

魚介類

さわら 真鯛 天然ぶり アジ さば さんま あさり しじみ
490mg 450mg 380mg 359mg 300mg 190mg 131mg 83mg

魚介類では、さわらやまだい、さばなどはカリウムが多い傾向にありますが、あさり、しじみなどの貝類や脂質が多く含まれているさんまなどは低い傾向にあります。

種実類

バターピーナッツ アーモンド 乾燥 ミックスナッツ ごま(乾燥) 日本栗 甘露煮
760mg 700mg 620mg 400mg 76mg

種実類の中でも脂質が多いピーナッツやアーモンドにはカリウムが多く、脂質が少ない栗はカリウムが少ない傾向にあります。

種実類のカリウム含有量は?

飲料類

玉露 ミルクココア(砂糖入り) 人参ジュース 濃縮還元オレンジジュース
340mg 160mg 290mg 190mg
50%果汁入り飲料 30%果汁入り飲料 ドリップコーヒー 紅茶 玄米茶 麦茶
99mg 57mg 65mg 8mg 7mg 6mg

お茶では玉露がカリウムが多い傾向にありますが、玄米茶や麦茶、紅茶の方がカリウムが少なくなっています。
また、ジュース類では果汁が多いものはカリウムが多いので、果汁が少ないジュースを選ぶようにしましょう。しかし、糖分も多いので飲みすぎには注意しましょう。

飲料類のカリウム含有量は?

カリウムが多くないかのチェックリスト

  1. 黒蜜や黒砂糖などを日常的に使いますか?
  2. 野菜を食べる量は多くありませんか?
  3. ピーナッツやアーモンドをとりすぎていませんか?
  4. 生の果物や果実ジュース、野菜ジュースをとりすぎていませんか?
  5. 芋類や芋を加工した食品を食べすぎていませんか?
  6. 海藻は食べすぎていませんか?
  7. 牛乳やヨーグルトなどの乳製品をとりすぎていませんか?
  8. 玉露、ココアなどの飲料は飲みすぎていませんか?
  9. 食事は偏りのないようバランス良くとれていますか?

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